殻の中で私は夢を見る
誰もいない1人だけの空間で


殻の外で誰かが呼ぶ
その呼び声に目を開ける
殻の向こうに広がるのは自由な世界
ずっとずっと広い世界
誰かがそこから私を呼ぶ
夢から覚めきらないまま私は
答えようと、声の主の姿を見ようと
殻に手を伸ばした


途端、凄まじい風が吹き付けた
殻の中に響く、轟音
思わず耳を塞ぐ
その場に身体を丸め
不安に、恐怖に、打ち震えながら
ただただ嵐が過ぎ去るのを待つ


やがて、嵐は過ぎ去る
もう、何も聞こえない
あの呼び声も、嵐の中にかき消されていた
静寂を取り戻したその中で
私は再び眠りにつく


殻に守られたまま
夢を見たまま
殻と共にこの身が壊れるその日まで