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連載する気か

昨日の物語の続き書けたー。のでUP(爆)
序章は前後編になるかと思いきや、前中後編になりましたぞなもし(笑)
昨日と同じく読みたい人はクリックして読んでください。


序章の中編ですよ


「武医(たけくすし)」序章中編

その日は業務が忙しく、終わったのは夜も更けた頃だった。
明日の朝も早い。早く帰ろうと思った矢先。
中庭の片隅、大抵は死角になる辺りに何か光る物が見えた気がして、
一体何かと俺はそちらに向かった。
建物の陰からそちらを覗いた俺は、目の前の光景にぽかんとした。
周りを照らし出すほどに多くの光の粉が舞い散っている。
最初に見たのは、これの一部だったのだろう。
幻想的といえば幻想的な光景。
その中に佇む、1つの人影。
その後ろ姿に、見覚えがあるような・・・
知らず知らずの内に手に持っていたバッグが滑り落ち、地面に転がった。
その音に気付いたのか、光の粉の中に立つその人が振り返った。
 「並木先生・・・どうしたの」
 「・・・片山先生」
俺の名前を呼んだその人は、1年目の内科研修の時、俺の指導医だった先生だった。
でも、舞い散る粉の光を浴びながらこちらを見ているその様は、
俺の知っている先生とはどこが違うようにすら見える。
 「先生・・・この光る粉、何なんですか・・・」
漂う粉に目を走らせながら、俺は片山先生に質問をぶつけた。
 「・・・見えるんだ、先生」
 「は?」
問い掛けに対する答えと外れた返答に、首を傾げる。
 「それなら、あれも・・・見える?」
片山先生が指差した先にあったのは、黒い霧。そして。
2週間前の当直の日、廊下で目にした、もの。
あの時目にしたものと同じもの・・・俺の言葉では、
『怪物』や『妖怪』としか表現出来ない・・・が、今、そこにいた。
光の粉に撒かれて、低く呻くような声を上げている。
 「あ・・・あの時のっ」
俺の心の中は「qあwせdrftgyふじこlp」といった状態であったが、
何とか口からは意味のある言葉を出す事が出来た。
 「ああ、もう見た事あったんだ」
そんな俺とは裏腹に、片山先生はやけに冷静だった。
むしろ余裕すら感じられる。
 「・・・っ、先生、後ろ!後ろ!」
光の粉を振り払おうとしていた『怪物』の手が、片山先生の背中目掛けて伸びてきた。
危ない!そう思ったが、知らず知らずの内に身体が竦んでしまっている。
だが。尖った爪が片山先生に届くより先に、その手に、そして『怪物』の身体に、
青白く光る紐のような物が巻きついた。
光る紐はどこから現れたのかと思えば、いつの間にやら『怪物』の方に向き直ってる片山先生の、
つい先程まで何も持っていなかったはずの手の中から伸びていた。
柄のような部分を手にしているところを見ると、鞭・・・なのだろうか。
片山先生が柄の近くの紐をぐいと引くと、その先の紐が『怪物』の身体をギリギリ締め上げる。
その強い力に『怪物』の身体はひしゃげるように変形していき、それにつれて呻き声も大きくなっていく。
やがて、絶叫と共に『怪物』の身体は弾けるようにして消え去った。
後には何も残らず、いつしか舞っていた光の粉もなくなっていた。
 「はい・・・終わり」
再びこちらを見た片山先生は、いつも通りの平然とした様子。
対して俺は・・・茫然自失。
 「・・・今のは・・・何なんですか・・・一体・・・」
やっとの事で、それだけ呟いた。
 「まあ、混乱するのも無理ないよね。詳しく説明するよ。・・・ここじゃ何だから、どこか行こうか」
そう俺を促す片山先生は、大人しそうで穏やかそうな、俺が下についた時の印象通りの雰囲気で。
もちろんそれだけでなく、冗談だって言うし、時には悪乗りする事もあったけど・・・
到底、今しがた『怪物』相手に戦っていた人物とは思えなかった。
・・・この人一体、何者なんだ・・・


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ようやく主人公の名前が出ました。1度だけ。
ちなみに推敲してません(しろよ!)


完全に御雷あきらワールド全開です(ぇ
ついてこれる人少数だろうなー(笑)

さて、今夜はこれから角煮らしいですよ(何)