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これもストレス発散

好き勝手に文を書く事は自分にとってストレス発散になります。
日記しかり、小説(と呼べないような駄文)しかり。
というわけで書いちゃいましたよ小説1章後編(ぇ

前編は2/18の日記らしいですよ

「武医(たけくすし)」1章後編

低い唸り声を上げていた病魔が、牙を剥き出しに並木を狙っている。
取り憑くのを封じられると、病魔はその身の特徴を駆使して様々な手段で襲い掛かってくる。
普通の人間には目視すら出来ない存在の病魔が、
人間に対して物理的な接触が出来るというのも妙な話であるが。理不尽というべきか。
幽霊が人の首を絞めたりするようなものだろうか。理屈では説明がつかない。
病魔と相対する並木は、右手の人差し指と中指を立て、顔の横に掲げた。
その2本の指から青白い光が現れ・・・その光は、約20cm程の刃のような形となった。
術は使い手によって形が変わる。
片山は攻撃術として光の鞭を使うが、並木はこの光の刃が攻撃術だ。
外科だから刃(=メス)なのか。その辺りは定かではない。
第一、術を使えるようになったのは外科に入局する前だ。
(それとも、素養的にも外科向きだったという事なのか)
並木が印を切るように指を斜めに振ると、指先に生じていた光る刃が病魔目掛けて飛んで行った。
が。
しゅん。
 「あ」
かわされた。
飛び退いて刃を避けた病魔は、そのまま向きを変え並木に向かって飛び掛ってきた。
 「うわ」
並木は慌てて身を翻し突進をかわす。
病魔の身体は並木に当たることなく通り過ぎた。
こちらに背を向けている今がチャンス、と再び術を使おうとする並木だったが。
ぼすっ。
突然横から飛んできた何かが腹に食い込んで、そのまま並木の身体を側方の壁に叩きつけた。
 「・・・ごほっ・・・」
攻撃を受けた腹を押さえ壁を支えにしながら、今のは一体何かと並木は目を凝らす。
よく見れば、それは長く伸びた病魔の”尾”だった。
・・・病魔というのは本当に、いろいろな姿があって面倒くさい。
しかも、辺りが暗いからこちらからはよく見えないのが痛い。
尻尾を振っても可愛げも何もない病魔に、並木はげんなりとした。
病魔の方もそれをいい武器と判断したのだろう、再び尾を撓らせて攻撃してきた。
だが、それが届くより先に並木の光の刃が飛び、尾の半分以上を切り落とす。
切られた尾はうねりながら床に落ち、霧のようにさっと消えた。
激昂した病魔がまた空中を蹴るようにして並木に向かってくる。
迫ってくる病魔を正面に見据えながら、並木は術を発動させた。
病魔の牙が、並木を喰い千切る・・・
その直前、病魔が身を引き攣らせた。
光の刃が、今度は的確に病魔を捕らえたのだ。
牙は並木に届く事はなく、病魔の身体は空中でもんどり打つと黒い霧となって辺りに四散した。
退治、完了。
並木は、ふぅと緊張を解いた。
 「ててて・・・」
その途端、先程尾で打たれた場所を両手で抱えながら、ずるずるとその場に座り込む。
気を抜いてみれば、結構痛い。
ああ、今日は当直なのに。負傷している場合ではないのに。
打撲で済んでいなかったら困るな、自分で超音波でも当ててみようかな、などと考えていると。
turururu・・・turururu・・・
白衣のポケットに入れていた当直用のPHSが鳴った。
画面を見れば、下当直の研修医からの電話だ。
何か相談かと出てみれば。
 『ちょっと点滴が入れられない患者さんがいて・・・』
 (・・・)
何とか気合で入れてくれ。今ばっかりは。
そう内心で思いながらも、「わかった」と答え、のそのそと立ち上がる並木であった。

<2章に続く(あるのか)>
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この研修医は私って事で(ぇぇ
こっそりと書いてある設定資料では、
並木君は「苦労性」という設定になってます。
まあ何だ。がんばれ。(応援するだけ)

さーて明日からも頑張るぞー。(何故か心機一転)